食品の値上げトピックは、最近のニュースでも頻繁に取り上げられています。消費者としては今以上の値上げは考えたくないところですが、2023年4月から新たに値上げ予定の食品が発表されています。
そもそも食品の値上げはなぜ始まったのでしょうか。今回は「今後値上げする企業や食品」について紹介したあと、「食品の値上げラッシュの原因」ついて解説していきます。
2023年4月に値上げする企業の例
ここでは、2023年4月から値上げ予定の企業・商品を一部紹介します。
東洋水産
出典:東洋水産株式会社公式ホームページマルちゃんマークで広く知られる東洋水産は、4月1日からレトルトごはん、魚肉ソーセージ、削り節などの値上げを発表しています。
| 商品名 | 値上げ前 | 値上げ後 |
|---|
| あったかごはん 3個パック | 495円 | 573円 |
| おさかなでつくったソーセージ 4本束 | 300円 | 347円 |
| かつおパック TS-5P | 140円 | 152円 |
| だしの素鰹あじ 40g | 125円 | 136円 |
| たまごスープ 4食入り | 240円 | 278円 |
参考:東洋水産株式会社|「マルちゃん 加工食品」一部価格改定のお知らせ2023年4月1日(土)出荷分より|
https://www.maruchan.co.jp/news_topics/documents/2304_kakakukaitei_kashoku2.pdf明治
出典:株式会社明治公式ホームページ明治は乳製品だけでなく、お菓子や栄養食品など幅広い食品を提供している企業です。その中でも、特に乳製品の値上がりが大きいようです。
| 商品名 | 値上げ前 | 値上げ後 |
|---|
| 明治北海道バター 有塩200g | 410円 | 460円 |
| 明治クレミーホイップ1袋入り 65g | 194円 | 212円 |
| 明治北海道十勝スライスチーズ7枚入り 112g | 400円 | 425円 |
| 明治ブルガリアヨーグルトLB81 各種 400g | 270円 | 280円 |
| 明治オ・レ 各種 200ml | 112円 | 121円 |
参考:株式会社明治|価格改定のお知らせ|
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2023/0131_01/index.html森永乳業
出典:森永乳業株式会社公式ホームページ森永乳業においても明治と同様に、乳製品の値上がりを発表しています。これ以外にも、豆腐やデザートも値上げ対象となっています。
| 商品名 | 値上げ前 | 値上げ後 |
|---|
| 森永マミーWの乳酸菌 900ml | 210円 | 220円 |
| ビヒダス プレーンヨーグルト 400g | 230円 | 240円 |
| 森永北海道バター 200g | 410円 | 460円 |
| クラフト スライスチーズ 112g | 420円 | 445円 |
| 森永 絹とうふ 250g×12 | 1,740円 | 1,860円 |
| 森永の焼プリン 140g | 140円 | 150円 |
参考:森永乳業株式会社|一部商品価格改定および容量変更のお知らせ|
https://www.morinagamilk.co.jp/archives/007/202302/20230201.pdf味の素
出典:
味の素株式会社公式ホームページ味の素の出荷価格改定では、以下の製品が対象になります。
・家庭用マヨネーズおよびマヨネーズタイプ製品(全5品種)
「ピュアセレクト®マヨネーズ」250g、400g、600g、1kg
「ピュアセレクト®コクうま® 65%カロリーカット」360g
値上げ幅は、約5~9%となる予定です。
参考:味の素株式会社|家庭用マヨネーズおよびマヨネーズタイプ製品出荷価格改定のお知らせ|
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2023_02_09.html値上げの実態
帝国データバンクによれば、2022年10月に値上がりした食品は約6700品目にまで及んだとのことです。ここでは、値上がりした食品を4つに分類して、今の値上げの実態について詳しく説明します。
参考:帝国データバンク|特別企画「食品主要 105 社」価格改定動向調査(10 月)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221001.pdf 小麦
食パンや麺類の原材料である小麦は、私たちの主食の元となる食材です。しかしながら、小麦の90%を海外からの輸入にたよっているのが日本の現状です。その輸入小麦が値上がりした影響で、小麦を使った加工食品の価格が高騰しています。
例えば、2018〜2021年までの食パン1斤あたりの価格は133〜134円で安定していました。しかし、2022年にはその価格が一気に141円を超えるまでに上昇しています。
食用油
食用油の原材料には、大豆・なたね・ごま・ひまわりの種などさまざまな食材が使われています。世界中で連鎖している食用油の高騰は、これらの原材料を収穫できる主要国の状況に大きく影響を受けています。
大豆油の高騰を例に挙げると、大豆の主な生産地であるブラジルの天候不良や中国での急な需要拡大が原因だといわれています。日本でも大豆油の値上げはすさまじく、たった1年もたたない間に1kgあたり60円以上の引き上げとなりました。
冷凍食品
冷凍食品の価格も軒並み高くなっていますが、その理由はさまざまな要因が重なっています。世界中で起こっている原材料の価格高騰をはじめとして、人件費の上昇、そして原油の価格高騰にともなって包装と物流にかかる費用が明らかに上昇しています。
国内大手の食品会社ニチレイフーズは、2023年2月よりすべての冷凍食品の値上げを発表しています。その価格上昇率は家庭用およそ6〜20%で、コスト増をしなければ安定供給は難しかったと考えられます。
飲料品
もちろん食料品だけでなく、飲料品も同様に価格が上がっています。「デフレの象徴」といわれる飲料品業界にまで値上げラッシュの波が押し寄せており、ビールにおいては14年ぶり、ペットボトル飲料においては24年ぶりの値上げとなりました。
飲料品の値上げの理由には、アルミ缶やペットボトル容器に使われる原材料の価格高騰が含まれます。国内大手のサントリー食品インターナショナルは、2022年10月より希望小売価格を引き上げ、2023年5月にも価格改定を実施する予定です。
なぜ値上げラッシュが続くのか
家計の負担となる値上げラッシュの終わりは、まだまだ見通しがつきません。値上げラッシュが引き起こされた理由はさまざまですが、大きく分けると2つあります。
原材料価格の上昇
原材料価格が上がれば、それらを製造過程で使用する食品の値上げも余儀なくされます。特に小麦の高騰は、食品業界にとって大打撃となりました。
9割を輸入小麦に頼る日本では、政府が小麦をまとめて輸入して国内の製粉会社に売り渡します。2021年10月、この売渡し価格は1トンあたり61,820円でした。しかし、2022年4月には小麦の国際価格が高い水準にあったため、72,530円にまで引き上げられました。
この輸入小麦の価格改定は、結果的にパン・麺類・菓子類の価格を引き上げて、私たちの生活に直接影響を与えています。小麦高騰に対して、政府は国産小麦への切り替えを緊急対策として提案していますが、供給が需要を上回るという問題が生じています。
ウクライナ侵攻の影響
前述した小麦価格の高騰の明らかな原因には、ロシアによるウクライナ侵攻が挙げられます。その理由はロシアもウクライナも小麦の主要な生産地であり、輸出国であるためです。
ウクライナ侵攻の影響は小麦だけに収まらず、原油の高騰も引き起こしました。原油の主要な産出国であるロシアが制裁国に対して、原油の輸出禁止を決行したためです。
ガソリン代が上がったことで物流費が高騰し、同時に石油製品である食品の包装費も値上がりしました。
物流費の値上がりに対して日本政府が打ち出している解決策は、電気自動車購入に対する補助金です。また包装費の高騰に対しては、企業が過剰包装の見直しを行っているところです。
まとめ
今回は2023年4月から値上げ予定の食品について紹介しました。
値上げの実態はとても深刻で、小麦や食用油など私たちの生活に密着している食品の値上げが避けられない状態です。国内の大手食品メーカーも2023年4月からの一斉値上げを発表しています。
値上げラッシュが引き起こされた原因の1つは、ロシアのウクライナ侵攻の影響によるものです。ロシアもウクライナも小麦の輸出国であり、ロシアは原油の保有国でもあります。ロシアが輸出制限をすることで、小麦と原油の価格高騰が続いています。
日本政府も企業もそれぞれ価格高騰に対する解決策を打ち出していますが、先の見通しが立たないのが現状だと考えられます。